竹林記者の独りよがりの雑文です。泣き言、反省、得意げ、怒り・・。暇つぶしにも足りませんがよろしかったら・・。
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何年か前の話だ。
某記者は昼間の競輪でちょっとだけ儲かっていた。だからちょっとだけビールのつもりがついつい長くなり、もう一軒、あと一軒と続いた。最後の店を女の子全員に手を振られながら出たのは午前3時だった。気づいてみたら所持金は何百円と化していた。公園のベンチでうとうとした。が、寒い。そうそう季節は冬だった。どうしようかと悩んでいたら近くで電車の音が聞こえた。もう動いているのか始発がと少し笑顔になって駅まで来た。切符を買った。初乗り運賃130円分の切符だった。やって来た電車に乗って座った。暖房が充分効いているとは言いかねるものの、外の公園よりぜんぜんマシだった。ほっとしたら睡魔に襲われた。何時間寝たのだろう、どこかの駅で降ろされ、違う電車に乗ってまた寝るを繰り返した。
10時ちょい過ぎに起点の駅に戻った。というか何かの力で戻された。自動改札機に切符を挿入すると「ピンポン」警告音が派手になった。この駅で買った切符なのだから通るわけがないということは二日酔いの頭でも理解できた。恥ずかしかったが駅員にその旨を告げた。ここで130円買って、電車でぐるぐる。どこにも降りてはいないのだが、こういう場合どうすればいいのかと尋ねた。
「いいですよ、そのままで。どうぞ、どうぞ。こちらから」
そう駅員は言ったそうだ。そのときの駅員が微笑んでいたか、某記者を蔑む声音だったか、はたまたおびえる小動物に接するようなやさしさだったのかは憶えていないという、某記者は。
誰かの歌のタイトルじゃないが、かっこ悪いってことはなんてかっこいいんだろう。
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