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昔は競輪の帰りによく銭湯に寄った。阿佐田哲也のある小説の主人公の行動に感化されてだ。
タオルと石鹸のセットを買ってギャンブルの煤を落し、帰りに牛乳を飲んだ。
髪洗い料だか洗髪料だか、そんな名称の追加料金が存在したのを憶えている。長髪ブームの時代、男からもこれを徴収するかどうか話題になったような記憶もうっすらとある。
一日競輪場で闘って埃だらけになって、最寄駅までか一つ先の駅まで歩く。歩きながら途中に銭湯を見つけて入る。そんな「日帰り旅行」をまたしてみたいが、今や肝心な銭湯に辿り着くのに四苦八苦するのだろう。
テレビはオリンビック、オリンピック、オリンピック。メジャー・リーグ中継もそっぽに追いやられた。
厄介ごとが半分済んだので、ちっぽけな開放感が身の内に起こり銀座へ向かったのだが、今度はその車中で読んだスポーツ新聞に惹かれて行き先を変えてしまう。今井祐介の九連勝だ、と花月園に出張ってしまった。八月八日は俺にとって「X DAY」だったので「8」は気にしていた。キオスクで買った専門紙の頭には「友引」の文字。「8番」は頭の中に在ったのだが……。
平原輝で固そうな敗者戦は①平原に⑦畑野薫-⑧山田哲で飛び付いて、直線は①と⑧の写真判定だった。
午前中に打たれた注射のせいにしてもはじまらないが、頭がぼうっとしている。
九レースは①③⑥と入って3連複が十二万余りで3連単は半分の六万ちょっと。「こんなのギャンブルじゃない」と吐き捨てた人が俺の周りで少なくとも三人。俺も心の中で相槌を打った。
そして今日のメイン(あくまで俺の中での)。今井からどこを買うか。デビュー後負けなしの岩本俊介か、函館で強いところを見ている阿部大樹か。岩本は四人ライン、でも一番先頭だ。阿部は単騎。迷いに迷って(というか配当に負けて)今井-阿部を厚く買った。あとは阿部-今井に、⑧江本道明の2着と3着の車券も加えた。
今井を引き出すべく同県後輩がメイチの逃げを打ったが、それを叩いてしまった岩本はやっぱり強い。ただ今井はまだ脚を使っていない。バックから自力でひと捲りだった。スタートから今井を受けたようにも見えた阿部も一緒に踏んで、「よし!」と俺の声が出た途端に、俺の目の前で阿部はバンクに叩きつけられていた。
今井、岩本と力の一番人気がゴールを目指す。離れて追っていったのは落車を避けた⑧江本だった。
八月八日友引。厄介ごとが済んでもギャンブルはどんどん下手になってゆく。
口をちゃとん開かず言葉が伝わらず、足をちゃんと上げないから、たいしたことない段差につまずく。
夏本番、大丈夫かしら。