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正午から午後一時くらいの間だった。競輪場の門の前の雰囲気がいつもとは違っていた。中に入ろうとする人と出て来る人が窮屈そうに行き来していた。
ぼくも入った。
場内は騒然としていた。あのころはすべての窓口で前売りが買えたわけではなかった。正門からすぐの場所に前売りの売り場があったのだと思う。ともかく人ひと人だった。
第一回KEIRINグランプリをぼくはテレビで観ている。とても本番までは居られないと当時の(本場まで出向いたのに眼の前の大レース観戦を簡単にあきらめるほどヤワではなかった)ぼくがバックを踏んだのだから、それはすごい混雑だった。
①⑤の枠番式車券は1700円。中野浩一、井上茂徳、佐々木昭彦と九州ワンツースリーだった。3連単で売ってもらいたいくらいだよな、などという軽口が飛び交うことはなかった。車番式の車券すら想像できぬ時代だった。
二十一年前のその日、車だったか電車だったかも覚えていないし、誰の車券を買ったかも覚えていないけれど、たしかにぼくは「そこ」に行ったのだ。
12月7日、大宮競輪は2日目。準決勝の最終11レースでなぜかむらっときて、「高田誠・全・全」(高田のアタマで2着3着は全流しというやつ)を買った。けっこう外を伸びてきたけど……。明日(大宮3日目)の番組が発表になり仕事、仕事。補充で来る松島伸はあと一つで二百勝かぁ、おっ、群馬群馬で豊田一と一緒だ。チャンスだなぁ。高田は10レースか。うん? 先行が誰もいない。しかも高田は誕生日なんだ、明日。
12月8日。いつもなら大宮の最終日だし記者席にいるのだがスケジュールの都合で内勤。会社でテレビ中継を見ていた。展開はぜんぜん違ったが、松島は1着だった。10レースは茨栃の三人が押し出されて先行、ああ人気サイドで決まりそうだと見ていたら8番車がすごい脚で突っ込んできた。高田のアタマじゃないですか!「競輪はやっぱり最終日。ギャンブルは最後まで追い続けなければいかんのよ」、ぶつぶつ呟きながら小倉競輪の新聞作り。
あれ、明日の1レースは自在型-先行屋の並びだ、三番手はぼくの好きなマーカー荘田彰だった。車券の食欲が湧くレースとしてぼくのアンテナ(鈍く旧式のですが)に引っかかった。
12月9日、休日。小倉の1レースは気になっていたけど電話投票には資金なし。ラピスタ新橋まで出むけば車券購入は可能だが、外は冷たい雨だ。ちょこっと外出してすぐに帰宅して、ぼうっと過ごして夕方。小倉の結果を見たら、きれいに番手の千原千と三番手荘田で決まっていた。オー、マイ、ゴット!
そういえば明日はラピスタの早朝予想会に出演(なんてほどのものでもありませんが)するんだっけ。一日早ければったって、そんな。
なにをやってんだか、どうなってんだか。ついてないで済ませちゃいかん、行動力のなさゆえに……、でも、ほんと、ついてねえ。
はじめてビートルズの「ヘイ・ジュード」を聴いたときに起きた鳥肌と同種のものと記せば、なんのことやらと表現力に乏しい拙文をなじられるだけだろうが、年末のグランプリの周回中に、見ているぼくの背骨がぞくっと動いたという経験は一度となくある。そしてそのときぼくはいつも思うのだ。まだまだ競輪、すてたもんじゃないぜ、と。
数日で12月。グランプリの季節だ。
グランプリ出場をG1タイトル制覇で確定させているのは5人。競輪祭優勝の小倉竜二、ダービーが吉岡稔真で高松宮記念杯は山崎芳仁、寛仁親王牌・後閑信一、オールスターが井上昌己だった。賞金ランクだと3位の有坂直樹、4位佐藤慎太郎、5位手島慶介は皆8千万円台でかなり優勢。7位の加藤慎平が七千万ちょっとで、それに600万ぐらい足りずの市田佳寿浩が9位、合志正臣がそれにちょっと少ない10位とランキング表にある。(一宮記念はまだ加算されていないデータです)
この情勢での並びは?
山崎-佐藤-有坂でしょ。井上-吉岡かな、すんなり並べるなら。初めてのタイトルは吉岡マークだった小倉はどうするんだろう。手島-後閑でいくか、2人だけなら。ただ関東の先行が乗ってくれば分からない。
グランプリに誰が乗ってくれば一番楽しいか? ぼくの背骨を動かしてくれるグランプリとなるにはあと誰が必要か? ぼくはこの時期、夜一人で、世界情勢でも考えているような深刻顔を装って夢想する。バーのカウンターでビールなんか飲みながら、寺山修司を気どって。
逆算するならば、賞金を誰に上積みさせたいか、もちろん究極は全日本選抜(いわき平で12/02から)で誰を優勝させるか(してもらいたいか)? ということに尽きる。
東北3人に岡部芳幸まで乗ったら? 野次馬的な想像力は掻き立てられる。群馬の2人は武田豊樹が欲しい、欲しい。でもほんとはいきなり全日本を関東の若い先行屋がとっちゃって、グランプリでは「いってもらう」というのが「理想」だったりして。慎平が乗ったらどうするんだろう? 合志なら九州は「いいライン」になる。
目の前の9人で当てるかどうかだろう、競輪は! お前の話はつまらん! とお叱りを受ければ、おっしゃるとおり、まずはあさってからの大宮競輪ですと返すしかないが。