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竹林記者の独りよがりの雑文です。泣き言、反省、得意げ、怒り・・。暇つぶしにも足りませんがよろしかったら・・。
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昔、昔の話ではなくつい最近、正確には先月、八月二十六日の出来事です。
その日、キャリー・オーバーを繰り返した小倉競輪のチャリロトは払い戻し総額が六千万を越えていて、全国のチャリロト愛好家達の目はぎらついていた。各地で六千万を取りに行くべく「乗り」のグループが結成されたことだろう。その内の一つの「組」の顛末を記したい。
給料取りとすれば「身にこたえる」金額を拠出し合い綿密な検討がなされた。皆競輪には一家言ある人間の集まりだ、某選手の取捨は? 某は何故ギヤを変えたのだろう…、某は中二日だ。小倉との相性はどうなんだ。該当レースを囲碁将棋の棋士の如く? 推理してゆく。その光景は映画のオーシャンズ何とかをも想起させ……そこまで格好良くないか。
そして、采は投げられた。
喝采、冷や汗、「よし」と頷き小さなガッツポーズ。ともかく最終十二レースまで来た、残ったのだ。
某か某の頭なら二口だから三千万、某は三口で二千万かあ……、闘士達は高鳴る胸を抑えてそれぞれの場所で決戦の時を迎えることになる。都内のスポーツ・バーで小倉競輪を中継してくれるはずもなく(競輪ファンが応援する車番のユニフォームを着て一喜一憂する、まるでサッカー日本代表のワールドカップ予選の様に……そんな日は来ないだろうな)、ある者はマンガ喫茶のパソコンを開き、ある者は人気を避けた場所を確保し携帯電話で十二レース、スタートの号砲を聞いた。

見切った、買ってない稲垣が先頭でゴールした瞬間、マンガ喫茶の男は後ろに飛び上がり囲いに頭をぶつけた。いきなりの物音に周りの客は訝しがったことだろう。携帯の男はその場で嘔吐したらしい。自宅の風呂で心頭滅却してから臨んだ男は以後三日間、頭痛が止まず不眠に悩まされた。

ギャンブルはかくも残酷であるが、その極みを味わうのが真のギャンブルなのかもしれない。しかし彼らは素晴らしい。愛しいギャンブラー達だ。彼らの「天国と地獄」に加担していない自分が少し寂しい。
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